デートのお金の使い方や貯金への考え方。恋人との金銭感覚の違いに、不安を感じたことがある人は多いはずです。ただ、この不安をひとまとめに「合わない」と結論づけてしまうと、判断を誤りやすくなります。結論から言うと、金銭感覚の違いには2種類あり、それぞれ向き合い方がまったく異なります。何にお金を使いたいかという価値観の違いと、お金の扱い方そのものに関わる信頼性の問題を、分けて考えることが大切です。
価値観レベルの違いは、すり合わせできる
旅行にお金をかけたい人と、日々の外食を楽しみたい人。ブランド品に価値を感じる人と、コスパの良さを重視する人。こうした、何にお金を使うと嬉しいかという違いは、単なる価値観の違いであり、多くの場合、話し合いによってすり合わせることができます。
大事なのは、どちらが正しいかを決めることではなく、お互いが納得できる使い方のルールを見つけることです。共有のお金と個人のお金を分ける、一定額以上の出費は事前に相談する、といった具体的なルールを一緒に作っていくことで、価値観の違いがあっても心地よく付き合っていけます。
このタイプの違いは、むしろ関係にとって役に立つこともあります。使う側と貯める側が組み合わさることで、極端に振れずに済むという面もあるからです。価値観のずれ全般をどう扱うかについては、価値観の違いは別れの理由になる?「すり合わせられる違い」の見極め方でも触れています。
注意したいのは「信頼性」に関わる違い
一方で、もっと慎重に見た方がいい違いもあります。それは、収支の状況を明かそうとしない、借金の存在を隠していた、返す約束のお金を繰り返し借りる、といった金銭的な信頼性に関わる問題です。
これらは趣味嗜好の違いとは別の種類の問題です。話し合いによって解決できる価値観のずれとは違い、隠し事や不誠実な態度が根っこにある場合、話し合いだけで根本的に改善することは難しいことが多いです。むしろ、こうしたサインに気づいた時こそ、慎重に相手を見極める必要があります。
見分けるうえで役に立つのは、問題が「金額」に現れているのか「情報の扱い」に現れているのかという視点です。使う金額が想定と違うだけなら、すり合わせの対象です。ですが、金額の話をすると話題が変わる、聞くと不機嫌になる、後から事実が違っていたことが分かる。こうした形で情報の扱いに問題が出ている場合は、金額の大小に関係なく、別の種類の課題として扱ってください。
見極めのポイント
自分たちの金銭感覚の違いがどちらに当てはまるか迷ったときは、次の四つを確認してみてください。見るのは金額ではなく、お金をめぐるやりとりの質そのものです。
| 確かめること | すり合わせられる違いのサイン | 信頼性の課題を疑うサイン |
|---|---|---|
| オープンさ | 収支や貯蓄の状況を、聞けば隠さず話してくれる | 質問をはぐらかす、話題を変える、不機嫌になる |
| 一貫性 | 言っていることと実際の行動が一致している | 後から事実が違っていたと分かることが繰り返される |
| 歩み寄りの姿勢 | 違いを指摘すると受け止め、代案を出そうとする | 指摘そのものを責められたと受け取り、改善が続かない |
| 約束の扱い | 返す時期や金額の約束が守られている | 返す約束のお金を繰り返し借りる、期限が曖昧なままになる |
右の列に当てはまるものが一つもないなら、たとえ金銭感覚に大きな違いがあっても、時間をかけてすり合わせていける関係だと言えます。金額の差そのものは、ルールで吸収できるからです。
逆に、右の列がいくつも当てはまる場合は、単なる価値観の違い以上の課題が根底にあります。ここで気をつけたいのは、右の列の項目は、相手を問い詰めても改善しにくいということです。隠し事を指摘すると、多くの場合は一時的に態度が変わり、しばらくして元に戻ります。改善したかどうかは、その場の返事ではなく、数か月単位の行動で見てください。
どう話し始めるかで、返ってくるものが変わる
お金の話は、切り出し方によって相手の反応が大きく変わります。相手の使い方を評価する形から始めると、どうしても責められたと受け取られやすくなります。
編集部は、相手の行動ではなく、自分たちの計画から話し始める形をおすすめしています。使い方が気になると伝えるのではなく、この先どうしていきたいかという話の中で、それぞれの考え方を出し合う。同じ内容でも、共同の課題として扱う形にすると、防御的な反応が起きにくくなります。
また、一度の会話で決着させようとしないことも大切です。金銭感覚は育ってきた環境と結びついているので、その場で変わるものではありません。何回かに分けて話す前提でいると、お互いに追い詰められずに済みます。長い時間をかけて関係が変わっていくという前提については、長く付き合えば結ばれる、は本当?恋の“期間”という思い込みの視点も参考になります。
一緒に暮らすことを考えている場合に、先に確かめたいこと
交際中は、お金の違いが表面化しにくいという特徴があります。それぞれが自分の収入で自分の生活を回している間は、使い方の違いがあっても実害として現れないからです。ところが、同居や結婚で家計が重なると、同じ違いが毎月の摩擦に変わります。
そのため、生活を共にすることを考えている段階では、価値観の話に加えて、いくつかの事実を共有しておく必要があります。おおよその収入、固定の支出、借入があるかどうか、そして貯蓄の考え方です。金額の細部を突き合わせる必要はありませんが、桁が分かっていない状態で生活設計の話をしても意味がないため、ここは避けずに確認しておきたい部分です。
このとき、相手の反応の質が判断材料になります。金額が想像より少なかったとしても、正直に共有してくれるなら、一緒に考えていける相手です。逆に、この段階で情報を出すこと自体を拒む場合は、金額の問題ではなく、家計を共有する関係にまだ向いていないと考えた方が現実的です。
また、自分の側の情報も同じだけ開示する姿勢で臨んでください。片方が一方的に確認する形になると、どうしても査定のような空気になります。お互いの状況を並べて、この先どう組み立てるかを一緒に考える形にすることで、話しやすい場になります。
お金の話を、避けずに向き合う
金銭感覚の話は、気まずさから避けてしまいがちなテーマです。ですが、特に将来を共にすることを考えている関係であれば、お金についての価値観は、生活そのものに直結する重要な要素です。
早い段階で率直に話し合っておくことは、後々の大きなすれ違いを防ぐことにつながります。違いがあること自体を恐れず、その違いがどんな性質のものかを見極めながら、関係を続けるかどうかを判断していってください。
なお、信頼性に関わる問題が見つかったとしても、それだけで相手を全否定する必要はありません。ただ、その課題を自分が引き受けて解決できるものなのかどうかは、冷静に見ておいてください。相手を大切に思う気持ちと、自分の生活を守る判断は、両立させて構いません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の状況への助言ではありません。
