朝起きて、職場へ行って、帰ってきて眠る。休日は家事と、たまに友人と会う程度。気づけば、新しく知り合った人の名前を一年近く増やしていない。社会人になってからそんな日々が続くと、このまま年齢だけ重ねていくのではという不安が静かに積もっていきます。結論から言うと、出会いがない状態の多くは、人と会う回数の少なさではなく、出会いが生まれる場の条件が揃っていないことに原因があります

この記事では、出会いが起きる場に共通する三つの条件を整理し、今の生活をその条件で棚卸ししてみる方法をお伝えします。数を増やす前にここを見ておくと、同じ努力でも結果が変わってきます。

「行動量が足りない」という結論に飛びつく前に

出会いがないと相談すると、たいてい返ってくるのは「もっと外に出たら」「アプリを始めたら」という答えです。行動そのものは大切ですし、動かなければ何も始まらないのは確かです。ただ、この助言には抜けている前提があります。

実際には、人と会う機会がそれなりにあるのに出会いにつながらない、という人が少なくありません。会社の飲み会には出ている。友人の集まりにも顔を出す。街コンにも行った。それでも関係が始まらない。この場合、足りないのは回数ではありません。一度きりで終わる接触をいくら積み上げても、関係が育つ時間が生まれないという構造の問題です。

回数だけを増やす発想は、疲れやすいという難点もあります。予定を詰め込んで空振りが続くと、出会いを探すこと自体が苦行になってしまう。そうなる前に、どんな場なら関係が育つのかを先に把握しておくほうが、消耗を減らせます。婚活を続けて息切れしている感覚がある方は、婚活疲れ・出会いを探すのに疲れた時の休み方もあわせて読んでみてください。

出会いが生まれる場に共通する三つの条件

編集部は、関係が自然に始まりやすい場には、次の三つの条件が揃っていると考えています。

条件内容欠けているとどうなるか
反復性同じ相手と何度も顔を合わせる印象が積み上がらず、次に会う理由が作れない
共通の目的会話しなくても一緒に過ごす理由がある話題を探す負担が全部自分にかかる
素でいられること評価される場面ではない良く見せる方向に力が向き、相性が測れない

学生時代に出会いが多かったのは、魅力が高かったからではありません。教室、部活、バイト先という、この三つが自動的に揃った場所に毎日いたからです。社会人になると、その三つが同時に揃う場所は職場くらいになり、しかも職場は「素でいられる」という条件を満たしにくい。ここが、社会人の出会いが急に減ったように感じる正体です。

逆に言えば、条件のどれが欠けているかが分かれば、手当ての方向も決まります。街コンや一度きりの飲み会は、反復性がゼロです。共通の目的もないので、限られた時間で自己紹介を成立させる必要がある。うまくいかなかったとしても、それは会話力の問題ではなく、条件が二つ欠けた場に挑んでいたからだと考えてよいでしょう。

自分の一週間を、条件で棚卸ししてみる

まず、この一ヶ月で人と過ごした場面を思い出して、それぞれに三つの条件が当てはまるかを確認してみてください。

  • 同じ顔ぶれと月に二回以上会う場が、職場以外にいくつあるか
  • 会話以外に共有している活動や目的がある場は、そのうちいくつか
  • 服装や振る舞いを気にせずにいられる場は、そのうちいくつか

三つすべてがゼロに近い場合、出会いがないのは当然の帰結であって、あなたの魅力や努力の問題ではありません。ここを取り違えて自分を責め始めると、外見や性格を直す方向に力が向き、いちばん効く場の条件は放置されたままになります。

多くの人は、二つ目までは意外と持っています。趣味の場、通っているジム、地域の集まり。ただ、参加の頻度が不定期なせいで反復性だけが欠けている、というパターンがよくあります。この場合、新しいことを始めるより、今ある場に行く頻度を固定するほうが早く効きます。

条件を足すための、現実的な三つの手当て

ひとつ目は、反復性のある場を一つだけ生活に組み込むことです。週一回、あるいは隔週で同じ場所に行く予定を作る。習い事、社会人サークル、勉強会、ボランティア、行きつけの店。内容は何でも構いませんが、「同じ人が来る」ことが条件です。単発のイベントを十回こなすより、同じ場所に十回通うほうが、関係の芽は生まれやすくなります。

ふたつ目は、その場を「出会いのため」と位置づけないことです。矛盾するようですが、目的を出会いに一本化すると、相手を候補として品定めする視線になり、素でいられるという三つ目の条件が壊れます。自分がその活動自体を楽しめているかどうかを基準に選んでください。結果を目的にした探し方から過程を目的にした探し方への切り替えについては、運命の人を探すのをやめたら、恋が動き出した理由でも触れています。

みっつ目は、マッチングアプリを使う場合の位置づけです。アプリは反復性と共通の目的が最初はない状態から始まるので、条件としては不利な場です。ただし、会う前のやりとりを続けることで反復性を人工的に作れる、という強みがあります。だからこそ、プロフィールを完璧にすることより、やりとりを続けられる相手を少数選ぶほうが実りやすい。書き始める段階で手が止まってしまう方は、マッチングアプリのプロフィール作成が怖いと感じたらを参考にしてみてください。

条件が整った場を、外から借りるという選択

生活の形をすぐには変えにくい時期もあります。その場合は、反復性や共通の目的があらかじめ用意されている場を、外から借りるという手当てもあります。KOIROが提携しているサービスから、始めるときの負担が軽い順に三つ並べました。

始め方1回あたりの負担続ける前提か
婚活パーティー(OTOCON)男性2,000〜7,000円程度/女性500〜1,500円程度(回による)1回で終われる
マッチングアプリ(ウィッピー)登録は無料。スマホ専用いつでもやめられる
結婚相談所(NewMA)無料相談だけ受けることもできる入会すると継続が前提

いちばん試しやすいのは婚活パーティーです。OTOCONは男女8対8の少人数制で、フリータイムを設けず全員と1対1で話す進行になっています。会場で誰にも話しかけられないまま終わる形になりにくいのは、初対面の場が苦手な人には大きい点です。対象は男性29〜54歳・女性29〜44歳の回が中心で、参加費も開催エリアも回ごとに変わるため、申し込む前に公式ページで条件を確認してください。一度行って、合わなければそれで終われるのが、この選択肢の利点です。

アプリは、前の章で触れたとおり反復性を人工的に作る場です。ウィッピーはスマホ専用で、登録そのものは無料。合わないと感じたらやめられるので、生活を組み替えずに試せます。ただし、始めれば出会えるという性質のものではなく、やりとりを続けられる相手を少数選ぶ使い方が前提になります。

結婚相談所は、三つのなかでいちばん重い入り口です。NewMAは入会から活動までオンラインで完結し、47都道府県が対象なので、近くに相談所がない人でも使えます。無料相談だけ受けて、合わなければ入会しないという使い方もできます。ここで入会を勧めることはしません。相談所が向いているかどうかは、実際に話してみないと分からない部分が大きいからです。

どれを選んでも、分かれ目になるのは「反復性」を自分で足せるかどうかです。一度行って終わりにすると、この記事の前半で触れた街コンと同じ構造に戻ってしまいます。合いそうだと感じた場に二回目、三回目と行けるかどうかを基準に選んでみてください。

一度に全部を揃えなくていい

三つの条件を聞くと、生活を大きく組み替えなければいけないように感じるかもしれません。でも、実際に足すのは一つで十分です。反復性のある場が生活に一つ加わるだけで、半年後に知っている人の数はかなり変わります。

そして、その場ですぐ恋愛が始まらなくても、失敗ではありません。関係が育つには時間がかかるのが前提で、条件を整えるというのはその時間を確保する作業だからです。半年通って何も起きなかったとしても、その半年は無駄ではなく、次に何かが起きうる土台になっています。

焦りが強いときほど、手っ取り早く結果が出そうな場に引き寄せられます。ですが、短期で結果が出る場ほど、条件が欠けていることが多いのも事実です。急がないという選択は、諦めることではなく、条件が揃うまで待てる状態を作ることでもあります。今日は、来月の予定表に同じ場所へ行く日を二回書き込むところから始めてみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の状況への助言ではありません。